最近税理士業界で話題になっているのが、職員不足。
それも若者が極端に少なく、その傾向は税理士試験受験者の減少にも見てとれる。
職員10人ほどの事務所で、所長さんも50代から60代といった落ち着いた事務所。
そんな事務所に欠員が出ると、所長さんはリクルートのために走り回る。
人材紹介会社に頼んでも費用が掛かることを承知の上でも、見つからず途方に暮れる。
税理士事務所に勤務する若者の目指すところは、税理士になること。
そのために収入を得ながら勉強するには、税理士事務所が格好の職場。
実務も研修できるし、試験に通れば、先生から実務経験の照明も入手できる。
受かればの話だが、その試験が非常に難しい。足仕切りのための試験ゆえに。
夢果てた若者たちは、どこに行ってしまうのか。
優秀な人は、上場を目指す中小企業の中でも元気のいい企業に経理担当として就職。
なかには、自分が勤めていた事務所の顧問先に、ちゃっかり就職してしまう人もいる。
顧問先の社長から気に入られ、将来を嘱望された若者の移籍を渋る所長はいない。
顧問先から言われれば、なおのこと。将来的にも顧問契約は切れないだろうとなっとくする。
しかし、いざその後釜を探そうとするのだが、なかなかいつかないのも悩みの種。
落ち着いた事務所であればあるほど、オジサンたちの間にいる若者はまさに”異邦人”。
話す相手もいず、タダ指導される立場が続くわけで、こうなると不満を吐き出すこともできない。
ベテランたちも誰もがそうしてきたと言われても、早々納得できるわけではない。
自分から積極的に仕事をこなすというタイプは、今は昔。言われたことを素直にこなす。
このような若者を上手に使いきれる所長が少ないのも、事実。
仕事のできる人がスポッと抜けてしまえば、仕事に穴が開く。
それを補充するのが所長の役目だが、人がいなければ自ら代役を務めることになる。
忙しく働く時期はもう卒業したはずだが、若い開業時に帰った思いもする。
そのうち、疲れが取れなくなり、健康も害することにもなりかねない。
人手を増やさなくてもいい事務所経営の妙案はないだろうか?
誰もがそう感じながら、毎日の業務をこなしているように感じられるのだが、いかに?
経営者はつらいね!もうやってられない、なんて投げ出す人も出てきそう。
解決策は、ありますよね。独りで経営するのを考え直せばですがね。
事業承継支援室長
大滝二三男