これからの経済はそうなるのだろう。
財界と総理との間で、労働者の給与を上げるとの約束がなされた。
しかし、中小零細企業はこれに応じることはできないだろう。
円安を日銀そして政府は大歓迎しているが、果たして喜ぶべきことなのか。
お客さんのほとんどが中小零細企業の、税理士事務所はそのことを知っているはず。
日用品から食料まですべてが値上がりし、中には20%以上あがっているものもある。
スパーに買い物に行く人であれば、お金の価値がかなり少なくなっていることに気付いている。
食料品などは30%程度の自給率で、円安になれば、当然ものみな値上がりする。
それがデフレからの脱却の道だというのだが、本当にそうななのか。
個人消費を増やさなければいけないのだが、老人大国・日本の消費者には買うものがない。
何でもそろっているのだから、せいぜい贅沢な旅行でもするしかない
しかし、老人たちは安くて近いツアーにしか行かない。ぜいたくな海外旅行などには関心なし。
何より、老人であるものの、その後の生活に不安で、不安で仕方がない。
結果は、棺桶に入るときが一番現金を持っている日本人、その典型的な庶民しか残らない。
元気な若者たちが、老人たちとともに愉快な時を過ごすような生活ができないものだろうか。
先だって、床屋さんで、大学生とマスターが髪を切りながら、話をしていた。
その学生は、家にいるのが一番。好きなゲームをしながら、おいしいものを食べるとか。
マスターは、友達と飲みに行ったり、外で遊んだりしないのか、と聞くのだが、答えはノー。
いわく、やっぱり、不安なんですよ。卒業してもいい会社に入れるかどうかわからない。
一生派遣社員のままかもしれない、なんて考えると、積極的に遊べないいです。
そうなんですね。若者たちの多くが、夢を見ることができなくなっているんですね。
発展途上にあった、我々が若者であったころは、だれもが夢を見れた時代。
まったく、「恒産なくして、恒心なし」とは、昔の人はよくいったものだ。
それを考えると、本当に経済というのは恐ろしい。
わが税理士業界の一部では、顧客を指導し、黒字経営を実現する取り組みが行われている。
税理士さん、どうか経営指導をしっかりして、社会に貢献する黒字企業を増やしてください。
そうすれば、若者たちが夢を持ちながら、生活の不安を感じないで働ける職場が増えます。
今の状況では、その場限りの掛け声ばかりで、実質は何ら変わらず、いや悪くなる。
そんな気がする今回のアベノミクス解散・総選挙でしたが、政治には期待できません。
事業承継支援室長
大滝二三男