景気が良くならなければ、商売も上向きならないのは税理士業界も同じ。
顧問先がここ数年減少傾向にあるのも、業界にとっては悩みの種。
多くの製造業などが海外に進出し、その下請けも国内では大幅に減少。
業種を変えようとしても、製造業からの脱却はほとんど不可能。
若手の社長さん方は、独自の道を探すこともできるが、それもごく一部。
長年自民党を支持してきた中小企業の社長さんたちも、政治離れは深刻。
政治に期待していい時代は、もうとっくに過ぎてしまったようにも見える。
業界的には、顧問料を支払ってくれる中小零細企業が生き残ることを祈るのみ。
経済成長期などは反政府などの旗を掲げていた税理士も確かに多かった。
国税当局に反旗を翻す税理士が、国税局単位の税理士会の会長にもなっていた。
その後、経済が安定すると、次第に反国税当局の旗を掲げる会長は姿を消した。
今はどうだろうか。
自民、公明そして民主などを支持する税理士は主流派、共産党はやはり反主流。
しかし、表立てて共産党を支持する税理士会は皆無。
いわばほとんどの税理士会は、主流を支持する業界団体になっている。
もう、思想でとやかく言う時代ではなくなっているのも事実。
安倍首相が消費税増税に関して、国民の意見を聞くために解散するという。
前回の総選挙でも、消費税増税を掲げて国民に訴え、自民党が大勝利を挙げたはずだが。
今回はまた同じことを訴えるという。
多分、税理士業界は反応は鈍いはず。
経済が変わらない限り、国会がどう変わろうとほとんど関心なし。
一部の人が走り回るであろうが、それは政党の熱心な支持者のみ。
今回の総選挙でも、この姿は変わらないことははっきりしている。
政治を変えよう、日本を変えよなどと大声を上げるような税理士は、果たしているのだろうか。
業界は自らを守ることで精一杯ではないのだろうか。
事業承継支援室長
大滝二三男