数十年の事務所経営、経営環境の厳しい今、老兵は去るべきか?
とある地方の先生、後継者になるであろう若者を採用し、合格の日を待っている。
話があってからすでに4年、この間に4名の若者たちが採用され、数年で去って行った。
この間、先生自身も入退院するなど、事務所の経営もさらに厳しくなっている。
顧問先担当者が短期間で辞めていくので、顧問先も少々敬遠気味。
しかし、すでの30年以上も顧問契約している社長さんも、なかなか踏ん切りもつかない。
先生は廃業するとは考えているものの、若者に託したいという思いが強烈にある。
地方都市だけに、経済は決して上向くわけではなく、企業数も年々減少する。
そんな中で、若者自体が地元に根をはやし、中小零細企業の守ろうとは考えづらい。
ちなみに、その事務所で採用した若者のほとんどが、地元へのUターン組。
都会で税理士試験に挑戦していたが、親の面倒を見るために帰郷したメンバーもいた。
試験勉強をするにも予備校がなく、通信教育を受けるのが精いっぱい。
こうなると適切な受験指導を受けることができず、独りよがりの勉強で、合格は遠のくばかり。
そのうち、事務所にいられず、他の仕事に就くことにしますと、事務所を離れて行った。
それでも、先生は頑張っているのだが、ここにきて、お客さんも一社抜け、さらに一社抜けとなってきた。
だからと言って、どなたが事務所を継いでくれてもいいという結論にはなっていない。
自らのお眼鏡に叶わなければ、「いやだ!」ということだけはしっかりしている。
そうなんです。本当の所、自分で育てたいのですね。無理を承知で!
当方との関係は決して悪くはないので、時折連絡が来ます。
でも、おっしゃるのは「申し訳ないが、もうしばらく待ってほしい」ということのみ。
さらに、「わかっているんですけどね。難しいことは。」
そう今年に試験でも、唯一の職員の試験後の感想は、「駄目ですね!」
いつでも、ご相談にあずかります。先生のご意志が固まった時に、また連絡してください。
事業承継支援室長
大滝二三男