これまでにも事例があったのですが、改めて新規の事務所閉鎖話がきました。
まずは相談という形で、「お客さんを受け入れてもらえる事務所はありますか?」との電話。
たまたまその地方に案件があり、直接あって話を聞くことになった。
先生は72歳で、親戚の事務所を継承。お客も徐々に減少し、現在は女性職員1名とパート1名。
そのパートさんも、職員がお客さんの所に行くときや、休みの時の電話番。
実質は、その職員ですべての業務を切り盛りしているわけだ。
先生は決算書と申告書などをチェックするのが主な仕事で、後は若干の外回り。
今回は、その職員が数か月後に70歳を迎えるので、それを機会に辞めたい言ってきたための相談。
事務所を訪問すると、先生と職員が待っていた。
早速、顧問先の詳しい情報をもとに、引き受け手はあるかどうかなどの具体的な内容の打ち合わせ。
さすがに2代続いた顧客だけに、経営者も相当の年齢になり、廃業や清算をする可能性も少なくない。
顧客を他の事務所に紹介する際に、その客からの収入などを基に承継の対価を査定する。
その手法で相当の対価がどのようになるかを仮判定し、その場で数字を披露した。
通常は、所長だけに話をするのだが、所長さんはあっけらかんと「どうぞ、お話しください。」
査定の話が終わり、具体的な引継ぎ方法などを話が進むと、職員さんも積極的に意見を述べる。
これには現場を任せている先生も聞かざるを得ず、「○○さんの言っている通りにしましょう」
少々の意見の食い違いはあったものの、先生も納得。
こうなるとやはり、職員の退職が事務所の閉鎖と直結していることに納得するしかない。
しかもこの話、実に2週間もかからずに、引継ぎの事務所が見つかり、直ちに契約。
先生も職員も、退職と引継ぎの日を”楽しみに”待っているとのこと。
単純に事務所を閉鎖する前に、顧客を他の事務所に紹介し、”退職金作り”をしてみませんか?
事業承継支援室長
大滝二三男