最近の税理士事務所経営の傾向です。
高齢化した税理士さんの事務所から、顧客が離れていくのは仕方のないこと。
特に、企業の経営規模が大きくなると、小規模の税理士事務所では手に負えなくなります。
昨日もある地方で、50歳前半で事務所を開業し、その後30年間、一人で切り盛りしてきた先生に会いました。
この先生、会社が倒産したのを機会に、たまたま資格を持っていたので、一人で事務所を開業。
良いときは、30社以上の顧問をしていましたが、70歳を過ぎると、年々顧客離れが続きました。
80歳を超えた今、気力もなくなり、顧客にも迷惑がかかると、事業を譲る決断をされました。
承継をする先生は50代前半。初めての承継ですが、毎年新規の顧客が30件を超えると言います。
もちろん、承継は初めての経験ですから、一挙に10件以上の顧客を獲得することはこれまでにはありません。
しかし、事務所も組織的に成長し、一般の企業並みに各幹部が責任を持った仕事ができるようにしています。
この結果、お客さんからの口コミで毎年、他の事務所からの鞍替えが増加していると言います。
特別な営業をかけているわけではないが、職員が日ごろから顧問先へのサービスを充実させた結果です。
もちろん、先生も経営のやり方など各種の研修会などに参加をした、日ごろから経営の勉強をしています。
この点が一般企業並みの組織が出来上がってきている重要な点だと思います。
やはり、ある程度の規模を維持できているのは、所長が常に経営を考え、最良の方法を実践しているためです。
このような事務所が、各地に出現しています。
税理士さんたちは、隣の事務所がどのような経営手法をとっているか、ほとんど感心がありません。
そうなると日ごろからプレーヤーに徹している先生の事務所では、ある規模以上にはなりません。
今後経済が縮小する中で、この傾向はますます強くなるでしょう。
結果、事務所間の格差は増大していきます。
良い事務所に職を得た職員の生活もよくなりますが、そうでない事務所に勤務する職員の生活は?
事業承継の相手事務所として、当支援室が選ぶ事務所は当然、元気な事務所です。いかがですか先生!!
ちなみに昨日面談された両先生はともに大歓迎。年末に良い話ができました。
事業承継支援室長
大滝二三男