昨日の続きになりますが、税理士事務所に出入りしている業者も様々です。
最も頻繁に所長さんに会うのは、やはり生命保険の営業マンでしょうし、地元の金融機関の営業。
会計ソフトやシステムを売り込むのは、ほとんど数年に一回。
メンテナンス担当者はちょくちょく訪問するでしょうが、会うのは実務の担当者が中心。
所長先生がいちいち相手をしていたのでは、話が前に進まなかったりします。
担当者も「自分位任せてください、心配いりません」とばかりに、請求書だけが先生の所へ。
こうなると、会計システム企業の営業担当者は、所長先生の心境をお訪ねする機会はほとんどありません。
5年に一回、システムのリース切れとともに、新規商品を営業するのが精いっぱい。
いつも、いかにしたら販売価格の高いものを売り込めるかと、説明に精魂を込める。
営業の基本は、人の話を聞くこと。そんなことはお題目、商品説明が出来なければ熟れないと思い込む。
高齢の先生がそろそろ事務所を閉めようかなんて言われると、大事なお客が減ってしまうと大いに困惑。
次のお客を増やさなければ営業成績が落ち込み、上司から大目玉をくらうとやきもきする始末。
でも、「そうですね、同じシステムの事務所でしたらいいですね」、なんて返事が来れば、先生も安心。
「こいつ、事務所のことを考えてくれているんだな」と、さらに話し込むことができるかもしれない。
そのうえ、高齢の先生の事務所から、同じシステムを使っている事務所への事業承継になれば企業も安心。
そこの事務所が拡大すれば、自ずからシステム利用も増加する。
なかなか営業担当者が、事業承継に耳を傾ける余裕がないのも事実。
でも、所長先生は”心の叫び”を聞いてほしいはず、日ごろから知った人に聞いてもらえれば、なお結構。
一件システムが減っても、老先生の口から、「いい会社だよ、おかげでのんびりできる」なんて口コミで伝わる。
結果的に、家族主義の日本の企業だけに、他の事務所経営者にも信頼感が募ってくるのでは!!
事業承継支援室長
大滝二三男