この1年間、小規模事務所のご相談が増えています。
それも売り上げ1千万円以下の事務所からの事業承継の依頼です。
先日も900万円弱の売り上げの事務所の相談を受けました。
職員は女性一人で、先生は病気がち、手術も経験し、気力だけはあるが、体力が持たないという。
ここ数年、顧問先に行くこともできなくなり、訪問しないでいいお客だけに絞って来た。
その結果の売り上げ減少。しかし、なかには経営者の高齢化で、事業を辞める顧問先も増えた。
売上は少なくなっても、事業承継してもらい、対価も手にできるという情報が行きわたったのだろう。
そのため、当支援室に連絡してくる小規模事務所長が増えてきたのだろう。
この小規模事務所の承継での事務所の評価は、かなり厳しいものとなる。
つまり、顧問先の経営者も先生同様高齢化しているため、企業が発展する要素が少ないこと。
さらに、事業を辞め、承継しても顧問先としての頃可能性が少なくなることも十分考えられる。
こうなると、売り上げを承継の対価の基準とした場合、ひどいものでは50%以下の評価しかできなくなる。
もっとも、譲り渡す先生は何もせずにそのまま事務所を閉鎖すれば、一切お金は入ってこない。
時には、職員の退職金を出さなければいけないことになるのだから、評価が50%以下でも我慢する。
「もう少し早く決断すればよかったんですね」と言われれば、頷くしかないのが現状。
結果的に今回の事案は条件が悪く40%の評価しか出来なかったが、先生は納得。
「いい先生を紹介いただいて、満足です。ありがとうございました」という言葉に、ひと安心。
しかもこの先生引継ぎの全力投球し、ほぼ全社の了解を取り付けた。
引き受けた先生も新しい顧問先の社長さんたちともしっかり話をし、無事引継ぎの成功。
このような事例がここ数か月続いて持ち込まれているが、どれも売り上げは昨年よりも減少。
こうみると、そろそろ退け時と思われる小規模事務所が多いのではないだろうか。
事業承継支援室長
大滝二三男