最近、後継者がいるものの、具体的な承継方法で相談が増えています。
先日も、候補者は2名いるが、どちらにしようか迷っているというご相談。
どちらの候補者が所長としての経営感覚や職員や顧客の支持があるのか、現場でしかわからない。
所長からの話では、どうしても候補者に対する好き嫌いが出るので、適正な評価は分からない。
かといって、他の職員から話を聴くこともできず、どうしても所長の評価に偏ることとなる。
しかし、現実に所長が変わった時には、所長になれなかった税理士は”退場”するしかない。
つまり、いつまでもしこりを残さず、日々の業務にまい進してほしいと言っても、それはできない相談。
そのことを理解したうえで、所著を選ぶのであれば、事務所経営は安泰であろう。
同時に、選ばれなかった税理士が独立する時には、それなりの顧問先を持たせることも必要。
そうでない場合には、担当していた顧問先と独立後に契約するといった”泥仕合”も。
それだけに、所長の判断、もしくはそれまでの候補者への接し方が重要になる。
どちらにも事務所を譲的な対応をしていたのでは、所長としては後継者を選ぶ適正はない。
大きな組織で多くのポストがあるのであればいいのだが、それほどの規模がないのがほとんど。
”こちらを立てれば、あちらが立たず”、そんな状況を作らないようにするのが経営者としての務め。
こういった事務所がこれからも増えてくるのだろうか。
事業承継支援室長
大滝二三男