税理士稼業は実に息の長い仕事だけに、事務所を閉鎖する時にはそれなりの感慨がある。
今回の案件は、10件に満たないお客さんにすべて承継前に事情を説明。
それぞれの顧問先との付き合いは、40年にも及ぼうというもの。
それだけに、経営者の子ばかりか孫のことまで面倒を見たケースも多い。
最近も創業者の相続が発生。
二代目社長の息子さんから「先生の願いするようにと言われていました」と来所されたという。
長く顧問をしていただけに財産の状況などもしっかり把握しているので、素早く対応。
相続人たちの財産分与も何ら問題なく、親のありがたみを全員で確認。
「先生の陰で話し合いもスムーズに行われ、我々も皆先生に感謝しています」と有難い言葉。
そんな先生だからか、事前に承継先を丁寧に説明したところ、三人の経営者がなんと祝宴を提案。
そのうちの二人は大変赤のいい友人同士だったので、一緒にテーブルを囲んだ。
その翌日、もう一人の経営者に呼ばれて、歓談しながらの食事。その席には社長夫人も同席。
経営統合の形で、社員税理士となったが、口の悪い経営者は「よくその歳で一緒になってくれる人がいましたね」
もちろん、笑顔で本当に良かったという、安どの表情だったという。
お盆を前にこのような話がまとまり、当支援室としても、良い事例として載せました。
事業承継支援室長
大滝二三男