税理士事務所の経営は、ひとつの時代を終えようとしているのでしょうか?
昭和40年代後半の高度経済成長時に開業した先生方が、引退の時期を迎えています。
税理士事務所経営40年という先生から、もういいでしょうという要請を受けています。
確かに、団塊の世代としては、善しにつけ、悪しきにつけ、いい時代でした。
就職に困ることもなければ、仕事がなくても、ホームレスにならない、いい時代でした。
税理士さんも、黙っていてもお客さんが来た時代です。
税務署も大いに税理士を応援しました。退官後に行く先でしたから。
ところが今はどうでしょう。
高度経済成長時に起業した税理士さんのほとんどが、引退の時期を迎えています。
しかし、税理士になる税務署OBは、極少なくなりました。
というのも、数年前から実施されている、定年を迎える職員への顧問先の斡旋の禁止のためです。
定年を迎えた税務署の職員が特別枠で税理士になる道がありますが、ここ数年は数は減りました。
その要因は、前述の税務署から国税OBの税理士に顧問先を斡旋することが禁じられたためです。
考えてみれば、当然のこと。定年を迎える先輩のために、後輩たちが顧問先を探すなんて!!
この伝統が、戦後ずーっと続いていたわけです。いわば、退職金の上乗せ支給でしょう。
税務署から言われれば、二階建ての税理士を雇うことなど、簡単なこと。
そうすれば、税務調査もお目こぼしがあるだろうと、考えるのも至極当然。
でも、こんなOB税理士が経営する税理士事務所でも、税務調査の標的になることもある。
先般、コンサルが終わったOB税理士の事務所でも、心配の種はやはり、税務署の調査。
自分は歴代局長ともルートがあると、豪語していた先生も、トーンダウン。
税務署は、もうそんな時代に生きてはいないのでしょう。
先輩の税務歴を十分チェックし、いざという時には飛び込んでくるのでしょうね。
とにかく、数が増えたのが、事業承継案件です。
事業承継支援室長
大滝二三男