日々の業務を行っている時に、ほとんど言葉遣いに気づくことはありません。
同じ地方の、同じ風土の中で生活をしている時には違和感なく、言葉を発します。
方言で話が済めば、何ら問題はありません。
でも、今や全国規模で事業承継が行われているときの、この言葉遣いは大きな障害になることも。
標準語で話をする地域は、どうでしょう、限られています。
日本全国、地域の言葉遣いがありますから、その地域に住む人にとっては、標準語は”異国の言葉”。
そんなことまで理解している人は、あまり多くありません。
自分たちが話している言葉、アクセントを含めて、それが誰にも通用すると思っています。
たとえば、関東と関西では、どうでしょう。
何気なく言う言葉が、なんでそんなにきついことを言うの、もう少し優しく言ってくれればいいのに。
これは、関西の人が関東の人から発せられる事務的な表現を”批判”しての反応です。
まさに喧嘩腰に言われているような感じを受けています。
関東の人はそんなことをこれっぽっちも考えていないのですが、関西の人にはそう感じます。
逆に、河内弁などで早口に、言われると、関東の人間は、悪口を言われたように、拒否反応。
こんな状況は、これから事業承継が盛んになればなるほど、起こるでしょう。
お互いに言葉を重要視しなければならない立場の人は、この点を十分注意なければいけません。
日本は狭い国土ですが、標準語ですべてが通じると考えるのは、”傲慢”です。
そんなことをこの8年間で感じているのも、事業承継の仕事をしているからでしょう。
口から出た言葉は、取り返しのつかないことにもなります。注意しましょう。
事業承継支援室長
大滝二三男