男の更年期というのがあるそうで、税理士の場合はこれが60歳前半で生ずる人も。
一昨年暮れに事務所に訪れた税理士さんも62歳で、「やる気がなくなったので、承継先を探して!」
どうやら、事務所の経営に行き詰っているようなそぶりだが、売り上げは順調そのもの。
景気の低迷で、若干報酬額の減額はあるのだが、新規の顧客獲得でほぼ前年通りの売上。
職員の給与を上げるまでにはいかないが、ボーナスも前年とほぼ同額を支給できるという。
何も事業所を承継するまでもない状況だが、とにかく気力がなくなったの一点張り。
しかし、税理士を辞めるまでにはいかないようで、事業を承継後も勤務したいという。
つまり、経営者から使用人になることに抵抗はないという。
でも、経営者が一転して一般の勤務税理士と同じになるにはそれなりの苦労もある。
そこで、税理士法人の社員税理士として、勤務を続ける選択肢を提案。
当然、事業を渡すことになるので、その対価を受けながら、新たにサラリーマンとなる。
自らが率いた職員とともに、税理士法人の支店として新たな道を歩むことを選択。
高齢と健康上の理由で事業を承継する先生でも、社員税理士になることは多い。
この場合には、ほとんどの先生が日常業務にはあまりタッチせず、監督者の立場。
今回のケースでは、実践部隊で働くことになり、給与も働きの応じて支払われることに。
実績の応じて給与が変動する形になるわけで、このようなケースはは初めてのもの。
サラリーマンの定年退職者の一兵卒での職場復帰とは、事情が異なるのだが。
はたしてこの”実験”がうまく行くのかどうか、数年先を見守りたいところだ。
事業承継支援室長
大滝二三男
5月24日・東京、6月7日・小倉、税理士事務所の事業承継セミナーを開催します。
受講希望者は、5月20日までに、フリーダイヤル 0120800058 でお申し込みください。