事業承継の仲介担当者の業務は、事業承継契約が結ばれて、お仕舞ではありません。
契約成立後、引継ぎ業務がありますので、これは実務的なことを契約者双方が担当します。
やむ負えない廃業や清算などをする顧問先以外は、すべてが引き継がれるよう協力して当たります。
その際に、譲り渡す側の先生が、誠心誠意顧問先に説明する必要があります。
承継者が「○○先生から引き継がせていただきました」と単独で伺っても、だれも信用しません。
ですから時には、双方が一緒に顧問先を回る必要も出てきます。
こんな時に、譲り渡す側の先生が積極的に協力しないこともあります。
こんな時は仲介者の出番です。承継者はなかなか面と向かって意見を言えません。
言いにくいことは仲介者の担当です。
お金の話ももちろん、そうです。支払いの時期が遅れているとの情報が来れば、飛んでいきます。
これまでに、お金でトラぶったことは一度もありませんが、支払いが遅れたことはあります。
遅れた原因は、承継した先生が職員に支払いを指示していなかった時のこと。
ついうっかり一日だけの遅れでしたが、すぐに当支援室に連絡が入りました。
「最初からこんな状況だけど、今後は大丈夫だろうね?」というのが、譲り渡した先生の言葉。
「しっかり注意をしておきます」と答え、すぐに対応し、事なきを得た次第。
やはり、お金にルーズであれば、承継者としての”資格”はありません。
国会議員に聞いた話では、「誠意というのは何で示すのかだが、それはお金です」
嘘のようで本当の話。これは反社会的な人たちにも通ずる万国共通語のようだ。
そう、当支援室は契約締結後、数年経った案件でも、問題があれば対応しています。
そんなときに、昨年暮れに契約が完了した税理士法人のオーナーからうれしい電話。
「確定申告も無事終わり、職員の人たちも一生懸命頑張ってくれている。順調そのものですよ。」
こちらは何か問題があったのかとちょっぴり不安も、その明るい声に、吹き飛んだ。
すでに事業承継の仲介をスタートしてから、満8年を経過。
多くの先生方とお会いする中で、様々な人間模様を見せてもらっています。有難いことです。
事業承継支援室長
大滝二三男
5月24日・東京、6月7日・小倉、税理士事務所事業承継セミナーを開催します。受講料は無料です。
受講希望者は、フリーダイヤル 0120800058 までお申し込みください。