アベノミクスなんて言っても、現場では苦しい事情は変わりません。
マンションなどの建設は2月いっぱいでほぼ一時停止。
新学期を前に、引っ越しが終了する3月中には、ほとんどの建設は終わっていなければなりません。
こうなると、マンションや一戸建ての建設業者は、3月から5月までは仕事がありません。
アベノミクスで好景気などと嘯いていたのは、もう風前の灯。
そんな企業を相手にしているのが、わが税理士業界。
顧問料なお改訂などを目論んでいる事務所にとって、その結果はいかがなものか。
その交渉をするのは、多くの場合、所長個人のはずだが、担当者に任されているケースも。
そこで、提供できるサービスすべてを顧客に開示し、取捨選択を顧客に任せる。
「これができなくなりますよ」「この情報は提供しません」なんて言っているうちの流れが変わる。
「税金の予想なども数か月前になりますし、訪問するのも3月に一度になります」
こんな”脅迫”に近い提案でも、顧問先はおおむね了解し、顧問契約を結びます・
その担当者は誰で消化。もちろん、先生ではないでしょう。
職員を指導することはあっても、最後の嫌なことは担当者にやらせる人も少なくありません。
しかし、最後の最後は、所長自らが表に立たなければ、”信用”は維持できません。
中国人は、喧嘩をすることで、お互いに仲良くなると考えるそうです。
でも、日本人は喧嘩をしてはお仕舞、そうならないように仲良くするようにする。
この喩を使うなら、従業員を全面に出すのは、日本人。交渉を職員に任せる。
職員が喧嘩状態になるのであればいいのだが、責任者はそれを避けるのが日本人。
でも、顧問料の交渉に職員に全責任を負わせるのは、いかがなものでしょう。
なかには、顧問料の交渉に関して、成果報酬を出している事務所もあるので、全否定はできない。
税理士事務所の経営者が心すべきは、対外交渉はすべてあなたの責任です。
当然ですよね。「そんなことを職員に任せた覚えはない」というあなた、大丈夫ですか?
事業承継支援室長
大滝二三男