先生が事務所経営はもちろん、業務にも一切関与していないという事務所から、要望がありました。
先生は80歳を超え、近年は病気がちということもあって、事務所にも現れません。
良く聞いてみると、この先生事業化で、税理士業務より、他の事業を経営する方に熱心だったようです。
いくつかの事業を起こし、その一つは他人に受け継儀、現在も営業を続けているそうです。
それでは、何年くらいこのよな状態が続いていたのでしょう?
なんと30年以上だといいます。???
20年くらい前までは申告書の署名捺印はご本人がしていたそうですが、その後は職員が代行。
立派なニセ税理士行為が続いていたわけです。
相談に来た職員もあっけらかんとしたもので、「私がまとめていました。」
経理もすべてこの方が行い、賃貸の事務所の経費さらに他の職員の給与も支給していた。
先生の取り分は、確定申告後に還付される、顧問先が源泉徴収した10%の税金。
「先生は奥さんにも死に別れて一人なので、そんなにお金は必要ないんですよ」
そんなわけで、この20年余りは、各職員が自分の担当の業務をすべて行い、分け前をいただいていた。
しかし、その職員さんも寄る年波には勝てず、そろそろ引退を考えていた。
ニセ税理士行為を続けていた状況から、当然知り合いの税理士もなく、弊社に連絡がきたもの。
良く聞いてみると、各担当はしっかり業務をこなし、税務調査などでも対応はできたいたという。
そのうえ、各人が今回の責任者の引退を機に、それぞれが頼るところに移って行った。
ご本人は当方の紹介した事務所に当面移り、顧問先との引継ぎが終わったのちに身を引くことに。
それにしても20年以上も、このような状態が続いていたことは驚き。
廻りの税理士もチェックできないだろうが、税務署も??首を傾げた次第だ。
事業承継支援室長
大滝二三男