先週末、今やわが国を代表する名指揮者・佐渡裕指揮のシネティック・フルオーケストラ・コンサートに行ってきました。
’60年代初頭に大ブームとなったウエスト・サイド・ストーリーを、映像と音楽以外はそのままに、音楽だけは佐渡裕が指揮し、東京フィルが演奏。
その大迫力の音楽をバックに、マリア、アメリカ、トゥナイト、クールなどが歌われる、まさにミュージカルの舞台を見ている感じのまったく新しい手法の演奏会(映画上映?)
当日会場となった東京国際フォーラムAホールには、ほとんどが60歳代以上の老人たちが参集。
なかには杖を突き、あるいは不自由な足をゆっくりと一歩一歩前に進める人や、そして車いすに乗って人など、青春プレーバックの様相を呈していた。
ウエスト・サイド物語は再三再四、再上映され、テレビなどでも何度も上映されているが、今回のように5000人の観衆を集めて上映会はだろう。
当時大学生だった兄がこの映画を見に行き、大興奮にして帰り、「すごくいい映画だった」と言い、「なぜ?」と質問した中学1年の私に、「子供にはわからん」と答えたのを覚えている。
そんな50年以上も前の映画が、佐渡裕の指揮するオーケストラの演奏をバックに、大画面で上映されるその迫力、音楽の素晴らしさに感動の3時間(休憩20分あり)、あっという間に過ぎた。
上映が終わり、5000年の観衆からは拍手の嵐、老人たちからの「ブラボー」の声も飛ぶ!
佐渡氏も観衆の反応に、少々涙目になりながらも、会場のスタンディングオベーションにも満足げに応え、東京フィルハーモニーのメンバーも緊張気味に立ち尽くす。
通常の演奏会のようにアンコールに応え、演奏することはなかったが、大きな絶賛の拍手に、4度5度出てくる足取りは、その大柄な佐渡氏をさらに大きく見せていた。
演奏後、ホールを出ると、CD売り場は大行列。実は私も初めてウエスト・サイドストーリーのCDを購入し、感動の時間を思い出している。
そういえば、その行列からちょっと離れた所に、税理士バッジをつけた70歳代前半の男性が、大きなバックを手に人待ち顔で立っているのに出会い、なぜかホッとした気分に。
仕事帰りなのだろうが、ちょっぴり場違いな背広姿に、会場に駆け付けた老人たちと同様の満足感を感じているに違いないと勝手に思っていた次第。
それにしても、よき物はその命を長く保ち続けるもので、感動を与えることの音楽を提供できるタレントの持ち主たちに、もろ手を挙げて、”ブラボー”。
こんな仕事だ出来たらと、日々動き回っています。
事業承継支援室長
大滝二三男