後継者にいない税理士事務所は、全国的に相当数あります。
税理士試験は難しく、ダブルマスター制度も数年前から試験が必須になったため、合格者は大幅減。
「2科目ぐらい取れないで、税理士になろうというのは問題外だね」とは、試験組の税理士さん。
とは言っても、税理士さんの子供が試験に挑戦するものの、合格できなければ後継者にはなれません。
そんな中、「税理士で婿さんに来る人、いませんか」と依頼してくる先生も少なくないのが現状。
これまでに1例だけ紹介できましたが、そのほかはほとんど面談までにも到達できません。
そこで、目をつけられたのが、公認会計士。
「税金が分からなくても、しばらく修行すれば良いんですよ。会計システムもしっかりしているから」
「公認会計士ならではのコンサルティングを中小企業向けに営業してもいいし」
といった思惑で、監査法人に勤務する公認会計士を婿さんにリクルートする税理士事務所も出てきている。
なかには、娘さんを監査法人に就職させ、婿さん探しをさせる税理士事務所の所長さんもいる。
これは”古典的な手法”だが、今やはっきりと「婿さんとしてきてください」と言う所長さんもいる。
なかには、キャリアウーマンの娘さんに、仕事を辞めさせて、婿取りに”精進”するように教育する先生も。
そこで、婿さん候補として白羽の矢が立ったのが、なぜか税理士ではなく、公認会計士。
「税金が分からないから、父親としても指導ができるし、自分も税理士稼業からすぐに”卒業”しなくてもいい」
そんな打算もあるようで、婿探しも真剣そのもの。しかし、候補者を見つけるのはそう簡単ではない。
娘さんもそんな親父さんの思惑通りには行動しないような気もするが、いかがなものでしょうか?
当支援室でも、このような”案件”を数件抱えていますが、候補者の方、連絡いただけますか?
これも事業承継の一例ではありませんか。
事業承継支援室長
大滝二三男