会計事務所の請求書の発行はほとんどが月末締め。自動振替も主流になりつつありますが、まだまだ手集金が主流。
担当者が関与先に毎月伺う際に前月(当月)の請求書を手渡しし、顧問料(先月または当月)を現金で受け取るシステム。
高齢の先生になると、やった仕事に対する請求だから、1月遅れの請求になるという。こうなると、実際の入金は2月遅れ。商品を手渡し、現金を受け取る方式ではないので、請求も遅れ気味。
ところが、事業承継の段階になって、2,3ヶ月前の請求金額が、経営者が交代してから入金になるケースもしばしば。請求したまま、数ヶ月たっても入金どころか、再請求もなし。
担当者も現状のような経済状況では、関与先の現状をしっかり把握しているため、請求してももらえないだろうと”達観”。「顧問先も経営が苦しいので、なかなかいただけません。」と報告。
これが積もりに積もって、中には10年も入金なしに作業を行っているなんていうとんでもない話が現実として出てきます。いくらなんでもそれはないだろうと思いきや、それがあるのです。
半年なんてザラ。1年を超えるケースもほとんどの税理士事務所で抱えているのではないでしょうか。「商品の代金を手にして、初めて売り上げ」ということを会計事務所の職員も知らない。
ですから、積極的に請求していやな顔をされるより、事もなく毎月の業務をこなしていった方がお互い楽といった”慣習”がはびこり、ついには会計事務所も赤字経営に落ち込むことも。
こんな事務所を承継すると、毎月こなす業務の対価は、承継前の対価が支払われた後に初めて入金となり、前の先生の懐に入ることにもなりかねません。
こうなると新たな経営者が行う業務の対価は数ヶ月後に入るということになり、新事務所スタート時にはかなりの運転資金が必要になります。大変な重みになります。
毎月の請求が遅れ、入金もそれに比例して遅れること事態は、事務所の承継にとっては最大のリスク。少なくとも、半年以上も未収金になっているものは、思い切ってきることも!!
事業承継支援室長
大滝二三男