宗教法人がラブホテルを経営し、脱税だって。それも売り上げの一部をお布施としていたというのだから開いた口もふさがらないというものだ。もっとも、宗教法人はもっとも税務当局から”遠い所”に位置しているから、税理士さんも無力だったのかしら。
「宗教法人を買いたい」という声を良く聞いたのが、あのバブルの時代。宗教を起こし、民衆を助けたいというのであればそれはそれで結構だが、その趣旨は儲けたお金を自分が主宰する宗教法人にお布施として寄付し、その脱税した金を自由にに使いたいというのが本音。
中には反社会的な団体が運営する宗教団体もあるそうだが、声などは二重三重に税金逃れをしていることも十分考えられる。これらの団体の顧問となっている弁護士さんもいる。もちろん、罪を犯した団体構成員が、裁判で被告の弁護をするわけだから当然だろう。
しかし、宗教法人等の税務を預かっている税理士さんの立場は、弁護士と大違い。自由に寄付はできるだろうが、その宗教法人・団体が収益事業を行っていれば課税対象になりわけだから、税理士さんはちゃんと課税処理をしているはず。
冒頭のラブホテルを経営していることを知っていたか知らないかは定かではないが、地元の税理士さんなら噂でも知っているに違いないと思うのが世間様の常識。昔、「坊主丸儲け」というインタビュー記事を書き、上司からほめられた記憶があるが、今も同じか。
そういえば、どこの宗教法人もその御利益あらたかにして、立派な本部や会館を建てているのを見ると、ありがたくお布施をする信心深き人が何と多いことかと、無宗教の筆者は感心するが、近くに迫った総選挙にも新しい宗教政党が名乗りを上げ、これもまた関心ありだ。
一国民がこの世の中を矛盾を一つでも解決しようと、ありとあらゆる手立てを講じて選挙に打って出ようというのは並大抵のことでは実現できないし、人の見る目は「おかしいんじゃないの!」程度だが、お金持ちの団体は一挙に全国で立候補者を立てられるわけだ。
だからといって、「儲かる宗教」と言っているわけではもちろんない。人は皆不安のなかで生活をしているわけで、川口彗海の『チベット旅行記』にあるように『これまでの盗みをお許しください。これからの盗みも、、」と言えれば済むのだが、日本では無理な話。
そこで、無宗教の私でも神社仏閣で必ず賽銭を出すわけで、信者ともなれば、ご本尊のためと言われれば、不安な生活の中から一縷の望みを託し、お布施なりを出すのも当然。それ以外でも「投票にはこの人を」と言われればしれにしたがうのは間違いなし。
翻って、会計事務所が宗教法人の顧問をしているというのはほとんど聞かないところを見ると、あまり良いお客さんではないようだ。ほとんどが非課税で、収益事業と言えば、不動産収入程度なら高い顧問料をもらうこともないので納得。今回は事業承継とは無関係でした。
事業承継支援室長
大滝ふみお
でした。