今の政治にはもちろん、性急な変革が必要です。誰もが認めるところでしょう。スピーディーな判断ができない為政者には退場を望みます。そして、猫の首に鈴も着けれられず、ただ周辺で遠吠えをあげている政治家の皆さんも、そろそろ退場の用意をした方がいいのではないでしょうか。
あまりに無能な政治家が跋扈するような状態が続けば、大きな変革を行おうとするのろしが上がることも歴史が証明しています。間違った変革が起こらぬよう、国民の一人として常に目を光らせていかなければならないでしょう。
こんななかで、事業承継の契約が終わり、引き継ぎが着々と行われています。一生に一度の事業承継に、委譲された税理士さんには毎日が初めての体験。自分の意思が通じなくなってもいます。
新しい経営者は、これまでの自分の事務所でやってきたことが”一番”とばかりに、承継先の事務所にも同じ方針を打ち出し、経営方針通りに新事務所の経営を進めていきます。このこと自体は至極当然のことです。
ただし、経営統合ということで事務所が一緒になったものの、それまでの歴史風土と大幅に異なる事務所作りが行われると、承継された事務所の職員にも大きな戸惑いが現われ、引継ぎもスムーズに行かなくなります。
しかも、委譲された先生がここ数年病気がちで、職員に対する指導も徹底されず、職員任せになっていた事務所では、職員の動揺は隠せません。そのうえ、職員の発言力も増していますので、軋轢は相当なものになります。
「そんな職員の言うことを聞いていたら、経営はできません」という先生もいますが、顧問先と直接交渉をしているのは担当の職員たち。彼らが新所長にノーを突きつけたら、これまた大変なことになります。
もちろん、新経営者と意見が合わないから、そのまま新所長の方針に従わず、従来どおりの仕事をするといっても、それも許されるものではありません。辞めて、顧問先と共に他の事務所に移るなんてことは犯罪行為です。
そこでは、やはり従来の事務所運営方針を徐々に変革し、慣れた仕事をしている職員にも、新事務所の方針を時間をかけて理解させるくらいの寛容な態度が必要になってきます。
「そんなことをしていたら採算が取れないではないか」という声も聞こえてきます。でも、労働集約型の事務所経営ですから、人が何よりの力。職員が働かなければ、事務所はやっていけません。
もちろん、事務所の経営方針に賛成できないという職員が”退場する”ことも実際には起こります。でも、この退場劇は新事務所長が気に食わなくて辞める訳ではありません。これまでの不満が一気に噴出した結果です。
そうならないよう、新所長は一気に変革を迫るようなことは控え、時間をかけましょう。会計事務所が赤字になるのは一瞬のことです。利益率30%の仕事をしているのですから、じっくり時間をかけましょう。いかがでしょう。
事業承継支援室長
大滝二三男