先週の金曜日朝日新聞朝刊1面トップに保険代理店S社(破産)の不正事件が報じられた。
昨年後半に我々もこの情報を入手していたが、詳細はつかめず、動かずにいた。
しかし、朝日新聞のスクープの形で、その実態の一部が解明された。
この保険代理店の元経営者は数年前にも、米国で販売停止になったエイズ保険契約を扱うグループに荷担し、今回の舞台となった税理士グループにこの保険を販売し、インチキ商品であることが暴かれると、契約を解消し返金したといわれている。
その元経営者は昨年10月下旬、渋谷のホテルで”変死”で、暴力団の資金も集めたため、執拗に追われ、自ら都内の警察署に身柄の保護を求めていたので、その筋の力が、(?)ともいわれ、真実はもちろん明らかにされていないが、債権者に追われていたことは事実。
ところで、税理士事務所のお客さん向けに生命保険商品を販売すること自体は、節税などを考えると、一般の保険代理店より税理士が関係する代理店であれば、税金対策からすればもっとも中小企業には力強い味方、無料の資産保全コンサルタントを抱えていると同じこと。
ところが、その販売代理店が、もっとも厳しく法令遵守を求められている金融商品を詐欺行為・名義貸しなどで不当な利益を得ており、そこから紹介手数料が税理士に払われ、自転車操業に陥った際には親しい税理士グループから融資を受けていたとなれば問題は別。
もちろん、販売されていた保険商品そのものは、金融庁にも認められた生命保険会社の商品であるから、購入した中小企業などが保険料を払い続けれえば問題はないが、税理士グループが融資したとされる資金が顧問先から集めれたファンドなどの資金であれば大問題。
首謀者の元社長は死亡しており、死人に口なし。今後、憶測だけで話が大きくなると思われるが、変額保険で大やけどを負った経験を持つ税理士業界だが、今回は元日税連の会長の家族や親族までも巻き込んだ“事件”に発展する可能性もあり、大スキャンダルに相違ない。
このように顧問先の資産管理・運用を真剣に考えている税理士事務所ほど大きなリスクがあり、これらのリスクを回避するためにも、世間と掛離れた儲け話を相手にせず、ローリスクで安心な商品を選ぶ責任がある。もちろん、商品を購入する最終決定権者の責任ではあるが
それにしても、これまでにも税理士の先生方がだまされたという話は実はかなり多い。表に出にくいが、事業承継でも元システム会社の役員だった輩に相手を紹介すると称して、50~1400万円を騙しとられた情報が当事業承継支援室にも寄せられているだけに。ご注意を!
事業承継支援室長
大滝ふみお
でした。