この1週間、アカデミー賞の話題が駆け巡ったが、もう一つ、政治家とマスコミ関係者が是非見てほしい米国の映画があります。第37代米国大統領リチャード・ニクソンがテレビのインタビュー番組で初めてウオーター事件の違法性を認め、米国民に謝罪をしたことを題材にした「フロスト×ニクソン」(3月28日公開)です。
ニクソンはアイゼンハワー大統領の時に副大統領となり、ケネディーとの大統領選挙でいっぱい血にまみれた。その後。ケンディーの暗殺そしてリンドン・B・ジョンソン大統領政権下で泥沼のベトナム戦争が拡大し、その後ニクソンが大統領になると、空爆もカンボジアまで拡大。日本国内でもベトナム戦争反対の声が社会運動となった。
その後、2期目の大統領選挙の際にニクソンの指令で行われたのが民主党本部盗聴事件(ウオーターゲート事件)で、結果この犯罪が元でニクソンは大統領を1974年に辞任。辞任会見はテレビで行われ、事件の責任や国民に対する謝罪の言葉もなかった。そのため、国民の怒りは沸騰し、様々な抗議活動が行われた。
そんななかで米国の3大ネットワークは、ニクソンとのインタビューを試みたが実現できず、何とオーストラリアやロンドンでトーク番組の司会者で人気を博していたデビット・フロストがこれに成功し、4日間のインタビューは米国のTV番組で最高の視聴者数を記録。日本国内ではほとんど知られていない話だが、、
内容については、観てのお楽しみで詳述しませんが、大統領にまでなった人物が、一人のTV司会者の真実を追究する姿勢に、「インタビューそのものが闘争であるし、生死をかけた戦争である」とのニクソンの発言に、寂しい日本の政治家の後ろ姿が写り、それを追求するフロストの姿には日本のマスコミの情けなさを感じる。
個人としての政治家そしてマスコミ人がしっかりその個性と尊厳を発揮し、日本の将来を担ってもらいたいと思うとき、是非この映画を観てほしい。確かにエンターテイメントとして本当におもしろい映画で、日本のTVもアホらしくが倍増する。心ある人には何としても観てもらいたいたい秀作だ。
事業承継支援室長
大滝ふみお
でした。