朝青龍が優勝した一番をいつも無関心な我が女房殿がじっとテレビ桟敷で見守っていた。
白鳳が寄り切られたとき、口から出た言葉が「ああ疲れて食事を作りたくない」。大一番を見て疲れたわけではなく、日頃の疲れがたまり、夕食を作ろうと立ち上がったところたまたま、優勝決定戦だっただけ。
もっとも相撲をはじめ野球などのスポーツに無関心なのに、いつになく相撲の大一番を観戦かと思いきや「疲れたからす座っただけ」とは恐れ入る。それにしても日頃から弱者いじめや権力者に辛辣な意見を放つ彼女のことだから「品のない朝青龍なんか負けてしまえ!」との言葉を期待したが、、
それにしても、盛り上がりのない大相撲初場所でしたね。5人の大関のうち、3大関が8勝7敗、一人は途中休場。横綱を目指す覇気のないロートルがただその日暮らしをしている姿には「もういい加減しなさい」と言いたくもなる。横綱審議委員会はこんな大関たちに引退勧告はできないのだろうか。
次の世代が上を目指さない組織は必ずや衰退するはず。国技であるというにこだわらず外国人に門戸を開放し、より強い力士を求めるというのはいいが、各相撲部屋の親方の姿勢を見るととてもそのようには見えず、自分の懐を潤すために強い外国人を探し回っている気がしてしょうがない。
たとえ、日本人で横綱になれるような人材がいたとしても、厳しい日々の稽古と先輩後輩、上下の身分関係に耐えられる若者は数少なく、貧乏な家庭から体一つで土俵に埋まったお宝を手に入れると考える新弟子は皆無だろう。何しろ、携帯で毎日の稽古などを親に報告することが常態化しているというから。
ひょっとすると、「食事を作りたくない」と言った我が女房殿ももし相撲部屋に行った息子から毎日携帯電話で報告があったら、日々の疲れも吹っ飛んでしまうのかもしれないと考えたとき、希望という名の思いが、年とともに消えていき、だんだん抜け殻状態になっているのではと心配になる。
話は変わるが、工務店の社長がすでに所帯を持った娘や息子たちに生活の援助として毎月数十万円を渡しているという。「給料が安くて生活できないんだから」と社長は言うが、これも大相撲の力士になった息子との毎日の携帯電話による会話と同じ性格のものではないだろうか。翻って、会計事務所経営者はいかに?
事業承継支援室長
大滝ふみお
でした。