若者が大都会を目指すのは、何時の時代でも変わらないが、今は特にその傾向が強いと言えそうだ。
地方には老人しか残らず、その一例として、地方に転勤したサラリーマンが切実な経験が報告された。
東京からある県庁所在地に家族で引っ越した。東京では、引越業者の若い作業員が来て、数時間で終了。
引越先に来たのは、どう見ても60歳を超えた作業員ばかりで、2階に荷物を上げるのに青息吐息の状態。
見かねた40代のご主人が荷物運びを手伝ったが、馴れないことだけに腰を痛め、数日ダウンしたという。
数年後、この県庁所在地では、引越作業ができる人がいなくなり、自分でできる人しか引っ越せなくなる。
そんな嘘のような話が、実際に起きる可能性があるほどに、地方都市から若者の姿が消えている。
こうなると、会計事務所に勤務しようという若者も、大都会に集まり、地方都市には老人の事務所が残る。
もっとも、会計業界も若者に敬遠されている傾向が強いから、大都市の事務所も、リクルートは悪戦苦闘。
いわんや、地方への転勤ありとでも言おうものなら、即面接終了で、若者は席を立つのが、目に見える。
法人組織で主要な都市に支店を構える事務所は、当然その都市周辺でリクルートするが、これも難問。
地元を離れない女性に的を絞って求人するが、経験者はなかなか見つからず、パートがせいぜいという。
地元の事務所でも同じ悩みを抱えているが、ただ地縁があるだけ、何とか従業員は確保できている。
しかし、その年齢構成もかなり高年齢になっており、20代の女性が多いという事務所は例外中の例外。
さて、数年後、税理士事務所はどうなっているのだろうか、そんな心配が杞憂になることを祈るばかりだ。
事業承継・M&A支援室長大滝二三男
転勤がないから、税理士事務所に就職します、そんな時代が懐かしい!
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