税理士事務所に人が来ないと言われて、規模を縮小する先生も出ている。
特に歳を重ねていくと、営業をしなくなるから、自然縮小もある。
そうなると、職員の雇用が負担になり、辞めてもらうことにもなる。
経営者の都合で退職を迫る場合は、それ相当の費用がかかる。
月々の給与負担が減ることを考えれば、退職金を弾んでも良い。
そんななかで、パート職員を増やす事務所も多くなっている。
このケースでは雇用期間を決めて契約するので、退職金なし。
ところが、先日お会いした先生の事務所は、全員がパート職員。
それも男性4人が、週5日から2日の勤務で、それぞれ担当を持つ。
その勤務時間もそれぞれ異なり、一日8時間働く人はいない。
総務担当の女性職員だけが、週5日10時から4時まで勤務する。
5人の職員がいるが、その給与コストは当然大きくない。
業務に支障はないのかと訊いてみると、所長の負担はやはり大きい。
毎朝事務所に出勤し、それぞれの職員の業務を確認、報告を受ける。
ただし、全員が事務所にいることはないので、チェックは大変。
仕事を任せ切りにできる番頭さんがおらず、所長は常に臨戦態勢。
税務調査にも入り口から出口まで、全てに対応するから、気も休まらない。
でも、同業者からはコストが安くて良いな、真似をしたいと言われると言う。
もちろん、若手の税理士で顧客も少なければ、この体制も可能。
しかし、成長をしようとすれば、全員パートでは事務所は成り立たない。
それだけに、男性が4人もいる事務所で、全員パートはビックリ。
でも、ひと不足の今、このような事務所を目指したらいかがでしょうか?
事業承継支援室長
大滝二三男