税理士事務所のオーナーとして君臨していた税理士同士が、法人を設立。
お山の大将が二人、オーナーとして組織の双頭の鷲となる。
このケースが、一番壊れる典型的なものとなる。それは納得できます。
自分流で、数十年勝手気ままに動かしてきたことができなくなるわけです。
一人の判断がすべてであったのに、社員税理士同士が判断する煩わしさが出てきます。
「私が良いといったものを、彼がノーというのか。」社員税理士の独白。
そんなことは許されないと、勝ち気な社員税理士は文句を言うでしょう。
でも、じっと我慢することにも限度があります。
ひょっとすると、ファックスの利用頻度とか、コピーなどの費用分担に文句が出ます。
本当に単純なこと、大人として当然すべきことも、一切が我慢できなくなります。
お山の大将であった当時の職員は、当然自分の味方として動きます。
大所高所を見て、物事を判断する職員いれば、税理士のノーと言えるかも知れません。
職員は保身に走りますから、非常に可能性の少ない状況でしょう。
こうなると、壊れる方向へ一直線に進んでいきます。
そう、お山の大将が一緒に旗を振ることはほとんど不可能でしょう。
税理士は一人でできる仕事ですから、お山の大将は一人でいいのです。
でも、これからの税理士事務所の業務は、一人でいいのでしょうか。
分裂するより、一緒に大人の判断をしたほうが、良いはずです。
今後の5年で、業界は激しく変わります。
そのことを考えると、多くの税理士を抱えた総合コンサル業が正解のような気もします。
果たして、その答えは?
事業承継支援室長
大滝二三男