税法に従い、納税者の代理として税務申告書を作成し、税務当局から不当な判断があった場合、納税者の権利を守るのが税理士の最大・最低の業務。そういう意味では税理士は法律家の一人であるはず。ところが、税法以外、例えば民法、労働法などの法律を守らない税理士も実に多い。
10数年前、税理士事務所に勤める人たちの社会保険、雇用保険などに事業主である税理士が加入していないためにつらい思いをした従業員が実に多かった。そういう意味では、会計事務所業界の労働環境は実にお寒い状況だった。これなど経営者として”最低”だが、これがつい最近までまかり通っていた。
また、税理士事務所に勤めていた税理士が独立する際、自分が担当していた顧客を自分の事務所のお客にしてしまうことも往々にしてある。勤務先の顧客を引き抜いて自分の客にするなんて本当に”最低”と思うのだがいかがなものか?そんな教育しかできない税理士事務所経営者も法律家として落第ですね。
雇っているほうも雇われているほうも法律など考えていないとしたら、会計業務を依頼する企業オーナーも注文を出しつらいですね。
税理士事務所も企業として、世の中にアピールする時期に来ていますので、あらゆる法律のコンプライアンス=法令遵守を理解して欲しいですね。弊事業承継支援室に相談を頂く税理士の方々でも本当にコンプライアンスを理解されてない方が実に多くいらっしゃいます。パワハラも横行していると言われます。
企業経営者の立場からすれば、法律が守られていない事務所に業務を依頼したいとは思いません。そして、税法以外の法律に目が向かないような事務所を、高いお金を払って引き継ごうと考える税理士はいません。
どうか、ブログを読まれる税理士さん、今、本当にコンプライアンスの時代ですよ。これから数年間は会計事務所にとって暗黒の時代を迎えることを考えるとき、他の会計事務所と差別化し、生き延びていくために何をしていかなければいけないのでしょうか?そのことを一番理解しているのが、本当に法律家であるあなたですよね。