20年近く前から毎年、税理士の先生方と
小規模の会計事務所をお訪ねしていましたが、日本の税理士業界で、ここ数年米国並みになってきたがあります。
それは国税の電子申告とM&Aです。
電子申告は、米国では1995年から試験的にスタートし、電子申告を使うと、還付申告が早くなるということをIRS(米国内国歳入庁=日本の国税庁+税関+社会保険庁)は大々的にPRをしていました。
米国では一定規模の収入がある人はすべて所得税の確定申告をする必要がありますし、給料から税金を源泉徴収された労働者は申告することで早期に税金が戻ってくるようになっていますから、電子申告することによって紙の申告より早く還付金を手にすることができることになりましたから、飛躍的に電子申告が普及しました。
ところが、1996年、IRSは全国的に電子申告の内容を調査したところ、その際、発見されたのが、扶養家族の不正計上でした。
カリフォルニア州には多くのヒスパニック系の住民がいますが、その当時は故郷のメキシコに残した家族を扶養家族として計上することが認められていました。なんと、犬や猫まで
もが扶養家族として申告された事例が把握されました。
電子申告の普及に関しては、この1996年の税務調査強化で一時的に電子申告そのものに対する専門家の評価が大幅に下がりました。つまり、電子申告をすると調査されるということですから、「やめーた!」というわけです。不正が分かるから、電子申告を採用しないというわけはなく、税務調査に立ち会わなければならないという税務専門家からの反抗もあったわけです。
それ以降、数年間は電子申告を採用した人に対する税務調査は省略されましたが、メキシコ在住の犬や猫、そして申告者の子供でも米国内に居住しない人は扶養家族として認めないという法律改正もあり、さらにカルフォルニア州では100人以上の顧客の税務申告書を作成するEA(米国税理士)やCPAは電子申告を使わなければいけないようになり、現在では90%以上が電子申告を使っています。カリフォルニア州で営業している米国税理士の平均的な顧客数は200~2000件ですからほとんどのEAが電子申告を使わなければならないわけですすが、、、
そして、会計事務所のM&Aについては、日本では買い手側が売り手比べ優遇されています、その違いについて現地のCPAの証言を引用しながら、次の私の担当の機会に書きます。
事業承継支援室長
大滝二三男