高齢の先生が、心臓病の定期検診ということで、二日の予定で入院。
定期検診の細かい内容は定かではないが、入院したその日の夜に病状が急変。
翌日の朝型に息を引き取ってしまった。
事務所のはその高齢の先生しか税理士はおらず、死亡とともに税理士不在に。
遺族が知人の税理士に承継を依頼するが、職員全員を雇用する案に承服せず、話はストップ。
日ごろから会計業務は、すべて職員が各担当ごとにこなし、先生は申告だけを担当。
形の上ではこの通りだが、実質は会計ソフトを十分に使いこなせる職員が、申告書も作成。
電子申告を利用していただけに、先生はモニターで申告内容をチェックをすることも敬遠。
いわば、従業員のやりたい放題で、申告書作成、そして申告というスタイルになっていた。
そうなると、ベテラン職員にとっては、新たな税理士の事務所に移るのはハードルが高い。
さらに自由に仕事をこなすこともできなくなる可能性もある。至極当然の話だが。
それを嫌ったのか、遺族に対して、自分たちで公認の税理士を探しますと宣言。
実際にはまだ後継者が決まったいないのだが、相談者は自分たちが埒外に置かれている不安。
「職員たちが捜してきた税理士に、事業承継しなければいけないのでしょうか?」
遺族は何も言えない状況になってしまったことで、弊社でも相談者への答えに窮した次第。
先生の遺族は、かれこれ20年、事務所に関わらなかっただけに、お客さんとの接点もほとんどない。
従業員が辞めてしまえば、事務所もなくなってしまう。
「我々が捜します」と宣言した従業員たちは、仕事を続けながら、後継者を探す事態。
税理士会からも後任の税理士を決めるように言われているのだが、結論はまだ出ていない。
このまま確定申告を迎えることになると、いずれ名義貸しの問題が起きかねない。
職員たちは責任を感じながら、日々税理士探しをしているのだろうか。
それとも、現在も顧問料報酬を受け取っている遺族に責任があると、言い続けるつもりなのだろうか。
今は元気な税理士でも、高齢者は事業承継に本気で対策を講じる必要があることを痛感する。
事業承継支援室長 会計事務所の事業承継は「エヌピー通信社 事業承継支援室」へ
大滝二三男 https://e-syoukei.biz
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