税理士事務所を閉鎖しようと決めるのは、もちろん先生だが、それを止めるのは?
お客さんに言えば、「先生困りますよ。もう少し頑張ってください」と答えるはず。
でも、もう税理士稼業には疲れたので、店仕舞いしたいと常々考えていた。
幸か不幸か、家族に税理士試験合格者は出ず、血縁そして従業員にも後継者がいない。
40年を超える税理士稼業を続ける中、最近の税制改正をこなせなくなってきた。
分かっていると思っていても、実は実務の中で適正に判断できなくなってきてもいる。
申告書を作成するのはコンピュータ、従業員がすべてをこなしているから、これは安心。
しかし、税理士として、果たして税法に基づき、申告書等を適正に作成しているのかとなると??
決して、そんなことはないと思いはしても、確信はないのも事実。
だからと言って、職員任せにすることはできない相談。
でも、実際には職員が作成してきた申告書などをチェックするのも、そろそろ限界。
なかには、総勘定元帳までもチェックしなければならないという先生もいるとか。
会計業務は、税理士の独占業務ではないのだから、職員任せでもいいはず。
それでも任せることができない人は、事務所を閉鎖することを早く職員に告げるべきでしょう。
でも、それに反対するのが、大切に扱ってきた職員たちであることも忘れずに!
ご自分たちだけとはもちろん考えていない経営者を、糾弾するのも彼らです。
ある程度時間をかけて、事務所閉鎖を職員にも伝える必要があるのでしょうかね。
事業承継支援室長
大滝二三男