若い税理士と言っても、30代40代ではありません。
そういえば、昨年は30代半ばの税理士が、相談に来ました。
年商350万円、月額1万円以下の顧問先ばかりで、すべて記帳代行込。
自分一人ですべての業務をこなさなければならないので、もうギブアップ。
自分と顧問先を一緒に雇ってくれるところはないだろうか、というものでした。
どうして安い顧問先ばかりばかりになったのかと聞けば、すべて斡旋業者からのもの。
自分で獲得した顧問先はごくわずか。独立したものの、もう首が回らいというわけだった。
相談者からは、たとえ就職先を世話しても、いずれは独立するという気が見えていた。
こうなると責任を持って、紹介するわけにもいかない。
いずれ、勤務先の顧問先とともに独立し、照会先には迷惑な話。
結果は、勤務先・承継先を紹介することなく、話はなくなった。
これとは全く異なり、もう経営に疲れた。
税理士の仕事は続けたいが、所長として職員の面倒を見ていくのは勘弁してほしいという。
年齢から見れば、サラリーマンでも定年まで10年もあるといった税理士からの相談。
自ら望んで事務所の所長になったのではなく、たまたま二世だったり、勤務先の先生が亡くなったり。
事情は複雑だが、もちろん中には病気が一因という先生も当然いる。
そんな病気を除外しても、増えているのです、”経営恐怖症”というか、解放されたいという人が。
そうですよね。サラリーマンでもドロップアウトする人が多いのですから。
士業でも当然、そういった考えを持つ人が出てきても不思議はないですよね。
ともかく、顧問先が減ることがあっても、増えることが少ない時代。
年々事務所の”年齢”が増えるにつき、職員の給与も上げざるを得ない。
収入は増えずにコストだけが大きくなる。やってられませんね。
一人でやれる事務所がいいと言っても、そうなると先は見えていますから、大志は抱けません。
若者にとって、夢を見たいのだが、夢のない職業になりつつあるのかも。
そう成功する人は、2割の人から出ますから、圧倒的に現状維持、ないし後退なんでしょうね。
暑い盛りでついつい夢のない話を書いてしましました。お許しください。
事業承継支援室長
大滝二三男