零細企業の多くが、社長の一人企業であることは誰もが認めるところ。
その相談相手が、顧問税理士で、ありとあらゆる相談に応じているわけです。
社長も同業者には話せないことも多く、毎月顧問料を払っている税理士は格好の相手。
顧問税理士も、毎月顧問料を払ってくれる顧問先を無下にするわけにはいかない。
経営相談であればうれしいのだが、そんな相談は毎月あるわけではない。
時には、娘の婿はい内科、もしいい人がいれば、この会社を継いでもらってもいい。
創業者として、自分の作り上げた事業を赤の他人に渡すより、娘に継いでもらいたい。
でも、それが無理なら、娘の旦那に継いでもらえれば、”財産”は娘に渡すことができる。
当然、息子がいれば、後継者として教えもするし、引き継いでくれれば、万々歳!
しかし、そんな企業は数えるほど。それこそ、顧問税理士がよーくご存じのはず。
税理士個人に目を移すと、後継者がいない税理士は本当に多い。
自らが税理士試験に受かったことから、後継者と目論んでいる息子は受かるはず。
いや、合格するはず、と決めて、自分の事務所で仕事をさせてきた。
当然、職員とは待遇は違う、中小零細企業と同じ考え。社長・所長の息子は好待遇。
それを認識している所長の子弟は、受験勉強に没頭するかと思いきや、挫折後は、甘え放題。
結婚し、子供もできると、受験勉強にも集中できず、日々の業務に追われる一方に。
気が付いてみると、所長は資格のない子供とその子供たち・孫の面倒を見なければならなくなる。
ここまで行くと、おじいちゃん・税理士は事務所を閉鎖することは、家をつぶすことになる。
本当に”家業”としての税理士事務所、おじいちゃんが唯一の資格者が継続する。
ボケようが、寝たきりになろうが、家族・一族郎党を守るために、資格は返上できない。
顧問先のことなど、どうでもいい。税務申告だけは資格がなくても、息子ができる。
ハンコを押すのはおじいちゃん。でも、中身はひょっとしたら間違っているかも。
こんなひどい話はないだろうが、仮の話として成立する。
この9年間で体験した事例を参考に、お盆の季節として書いてみました。
亡くなったおじいちゃん税理士の話であれば、幸いです。
事業承継支援室長
大滝二三男