税理士事務所の経営に、記帳代行は実はお金のなる木。
この業務を安い費用だ行おうとしてのが、海外での拠点づくり。
まずは中国に進出。十数年が経った。
設立当時は、中国の経済もまだまだ後進国・発展途上国そのまま。
日本語ができる中国人が、この記帳代行会社に職を求めた。
一般中国人に比べて、日本語が話せて、漢字も分かると、もてはやされた。
当然簿記も知らない人がほとんどで、まずは第一歩から研修が始まった。
仕分けなどを覚え、帳簿などに打ち込んではみるが、できたものは間違いが多い。
現地に駐在する日本人職員が、それらをチェックし、国内にデータを送る。
単純にチェックすれば良いだろうと思いきや、それは甘い幻想。
依頼先の日本の会計事務所に戻された帳簿は、国内で厳密なチェックが必要に。
何のために外に出したのか、さらに今や中国人の給与はうなぎのぼり。
社会保険も義務化し、毎年のようにその負担も増え続ける状態。
給与そのものも、今や日本の三分の一程度になり、社会保険を考えると、旨みはない。
しかも、派遣されている日本人の責任者に対する税金や社会保険料などは、まさに莫大。
現地の中国人で、日本語に堪能で、しかも企業に忠誠を誓える人がいなければ、アウト。
そう、今や外国で記帳代行業務を展開するより、国内で組織を作ったほうが安心だ。
子育てなどに苦労している主婦層をまとめ上げたほうが、より効果的なような気もする。
そう、事業承継を引き受ける法人には、記帳代行の戦力として主婦層を活用している法人も多い。
つまり、コストカットを考えつつ、働き場所を探している人を確実につかんでいるような気もする。
税理士事務所のベテラン職員が、自ら仕分けなどを行うは、コスト倒れになるのは必定だ。
顧問先のために、より経営に役立つ情報・相談などを的確に提供すべき時代は変わっている。
これに乗り遅れた事務所は、次第に勢いを失ってきているのは、事業承継事案を見れば明らかだ。
事業承継支援室長
大滝二三男