税理士事務所の創業者が、第二世代に事務所を引き継ぐ条件は、なんでしょう。
税理士事務所の経営に一生を捧げようとする先生には、引継ぎなどは考えもしません。
自分一代で終わりと考えて、後継者育成にも力を入れることもありません。
でも、この時代になると、そうもいきません。
次世代の若者たちが、自由に起業(事務所開業)ができる時代ではなくなっています。
俺一代と良いと考える中には、若者がいつでも自分を追い越せる環境があることが条件。
果たして今はどうでしょう。
税理士資格があれば食える時代でしょうか?
自分一代で終わって良い時代でしょうか?
もちろん、勝手にやってくれ、俺はその使命は終わったというのであれば、それでいいでしょう。
数年前、ある税理士さんが言いました。「俺は職員に十分尽くした。俺は辞めるが、後は知らない。」
もっときつい表現です。「あいつらがのたれ死のうが俺には関係ない。それだけの報酬はやった」
こんなことがいえる税理士は、どれだけいるでしょうか。
そう発言された先生の瞳は輝いていました。
それまでに十分やるべきことはやってきたという自信です。
「お客さんにも誠心誠意対応してきたから、何も言われる筋はない」と、はっきりしています。
こんな先生に事業承継は?
なんて質問はできません。
答えは「俺は知らないよ。後継者なんていらないよ。」
そんな強気な発言をする先生の後を継ぐには、先生が思いもしない病気になるしかないでしょう。
とんだ結論ですが、実際には緊急に相談に駆け込む人の多くが、実は不治の病が原因です。
いつまでも元気に仕事を続けたい、それが本音でしょう。でも、できないことも…
人生100年の時代になりつつあるようですから、税理士事務所もひょっとしたら……
事業承継支援室長
大滝二三男