先日、ある地方に出張し、税理士さんとそのご家族全員と話をしました。
先生から、「もう、そろそろかな。家族一緒に考えたいので、話を聞きたい」ということで、自宅に訪問。
この30年間で築き上げた事務所を、どのような形で承継していくかというのが、一番の問題。
家族の中に事務所を継ぐ人がいないので、同じ町の若手税理士に引き継ぐことも考えているという。
しかし、先生が実践してきたのは、税務のとどまらず、顧問先の経営問題も積極的に指導。
顧問先の成長・発展のために、あらゆる努力をし、そのための勉強もしてきた。
従って、専門の税務だけに仕事を限定しているような税理士には、承継する気は毛頭ない。
そうなると、承継する候補者は限られるのだが、それでもそんな気概のある若手を若手を探したいという。
家族でそれなりの候補者となる人材・候補者を特定するまでにはなっているようだが、自信がない。
そんな候補者との交渉もやってくれるのかという問いに、お受けしますの一言。
その際に、当支援室のその地方での実績を質問されたのだが、それも承継された事務所の話。
具体的な名前まで出されたのだが、当支援室のお約束として、一切の関与先の名前は公表しない。
というのも、引き受ける側は当然名前が出ても問題がないのだが、引き渡した側はそうではない。
同業者には知られることなく、静かに引退していく形を取りたいというのが、普通。
そんな考えをお持ちの先生方から依頼された当支援室としては、口に出さないのがルール。
答えはイエスでもなければ、ノーでもない。ただ、「存じ上げません」というのみ。
一言でも口を開けば、次から次へを質問が出るでしょうし、その答えも必他人の口に上ることになります。
守秘義務契約を結んでいる我々が、「この案件は、私がやりました」なんて言うはずがありません。
ですから、「この8年間で、100件を超える案件を処理しました」としか、言わないのです。
税理士新聞などにも、一切具体的に名前が分かるような記事は書いていません。
それでいいと思います。このブログには、その具体的な案件の端々が出てきます。それで良いのです。
そんな話をした結果、「家族でじっくり相談し、お願いすることが決まれば連絡します」ということに。
時間が問題ではありません。じっくりご家族で結論を出してください。
決して、お名前を出すようなことはありませんし、お住まいの地域を特定するような話もしません。
事業承継支援室長
大滝二三男