アベノミクスで株が上昇するなど、職種によってはバブルの様相を呈しているようだ。
そんな中で、税理士事務所の経営は安定はしているものの、低落傾向は続いている。
ちなみに、この確定申告の売り上げは過去最低だった、という先生も少なくない。
これも電子申告の普及で自分で申告する人も多くなった北影響もあるという。
同時に、古くからのアパート経営を辞めるといった傾向が都市部に出てきたことも挙げられるようだ。
例えば、風呂のない古めかしいアパートには若者は目もくれない。
それこそ、給料の50%を払っても、設備のそろったこぎれいなマンションや、交通の便のいいところに住む。
アパートをリニューアルする余力のある人でも、自分の年齢を考えると、もう辞めようとなる。
そんな影響もあるのだろう、確定申告のお客さんである、このような事業所得者が減少しているわけだ。
そこで、高齢の税理士さんが業務は続けるにしても、そろそろ引き時を考える。
突然すべてを投げ捨てて、事務所を閉鎖する人は、まずいない。少しづつお客を減らす。
特に面倒なお客は早めに返上する。自分の仕事が楽になる人しか、お客として残さない。
職員も少しづつ減らし、最後の人いが辞めるといった段階で、税理士業務をストップする。
こんな傾向が、これまでの税理士の辞め方。
しかし、昨年から今年に掛けては、税理士法人と一緒になって、しばらく働き、その後に引退。
なかには、個人事務所が大同団結して税理士法人を設立し、1つの事務所で経営は独立採算。
看板は一つなのだが、中身は別個。その中で事業承継が行われ、承継の対価を得て、引退する。
このようなケースで、事業の査定をした例が昨年だけで数件あり、今年はすでにその数を上回った。
今年の傾向として、税理士法人の傘下に入る税理士の年齢が若返っている点だ。
60歳後半からがほとんどだったこれまでと違い、中には50歳代の人も出てきたこと。
そして、税理士法人との業務提携をする、個人事務所が増えてきているのも、特徴的。
いずれにしても、たった一人ですべての税務上の判断ができる時代は、終わったということのようだ。
損害賠償などを考えると、一人の判断より二人、そして組織としての判断が必要な時に。
その傾向が弊支援室にも色濃く出ている。あなたの近くの新設の税理士法人もそうかもしれませんね。
事業承継支援室長
大滝二三男