年功序列、終身雇用の体制では、会社の経営がうまく行かなくなると、賃金倒産も起きます。
現実に、今の中国では、企業の命運は労働者の対応いかんで、決まってきます。
そこには経営者に従順な労働者の姿を見ることはできません。
国内でも、中国人の経営する様々な企業が存在します。
日本にきている、名目留学中の、才覚のある中国人は、給料は安くても、大いに働きます。
今現在だけの仕事ではなく、将来につながる商売を模索しています。
それは本当に生きる力を感じる人たちですし、賃金などはそれほど問題にしません。
自らが稼ぐことに精一杯ですから、人からもらうことなどあまり関心がありません。
ところが、わが国のサラリーマン事情は、相変わらず”親方日の丸”です。
中小零細企業を顧客にしている会計事務所では、職員の移動もそれほど多くはありません。
というのも、税理士事務所は基本的に現金商売ですから、”倒産”することは考えられません。
だからといって、税理士事務所が高給取りの仕事場と考えると、これまた大違いです。
昔から、税理士に挑戦する若者たちが、仕事をする場ですから、賃金は高くありません。
とはいうものの、高齢に達した税理士さんの経営する事務所では、賃金の比率が著しく高くなります。
つまり、新しい顧客はゼロ。授業員の給与は、年功序列で高止まり。
税理士であり、所長である先生は、運転資金をねん出するために、個人の年金も使っている例も。
もちろん、大部分の税理士が、そのようなことをしているかといえば、答えのノーです。
そんな事務所に限って、職員への労働分配率は、70%を超える事例もあります。
労働分配率50~60%が税理士事務所の最高水準ですが、これをはるかに上回っています。
このような事務所は少なくありません。先生も高齢ですが、職員も定年を過ぎた人たちです。
定年を過ぎたら、給与は少なくなるのが普通。でも、定年制を敷いていない税理士事務所ではそのまま。
営業のできなくなった所長さんの下で、仕事を継続できる高齢の職員は”感謝”こそでしょう。
先生より高い給与を手にできる人は幸せですが、それで事務所が回らなくなります。
そんな事実を知りながら、高い給与を手にしているとしたら、どうでしょうかね??
やはり、引き際というのは、難しいですが、だれもが考えなければいけないことなんでしょうね。
事業承継支援室長
大滝二三男
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