個人の税理士事務所にとって、すべての決定権が所長自らでできます。
だから個人経営なのだといわれれば、その通りです。
でも、顧問先のほとんどが、個人経営と同じような体制でありながら、法人の形式をとっています。
株式会社でも、一人株主で、しかも資本金ゼロ円で株式会社のオーナーになれます。
それに対して、税理士は役員一人では法人組織にはできません。
20年近く前でしょうか、個人経営のクリニックが、足並みをそろえて一人医療法人になったことがあります。
それと言うのも、個人より法人の方が責任の取り方が、組織として対応できるからということでした。
しかし、現在では一人医療法人制度はなくなりました。
やはり、個人と同等の組織ではいかんということになったのでしょうか。
税理士法人は最初から2名以上の税理士がいなければ、法人として認めていません。
そこで、この時代ですから、税法もとにかく難しくなり、会社法の上を行くような法律となりました。
税理士個人ではその解釈なども難解になっていますので、それから解放されたいという先生も法人の中で仕事をするようになってきています。
ですから、そのためには大きな組織の中身自らが、飛び込んで行くという選択もあります。
お山の大将であった先生が法人の中に入って行くのですから、相当の心の葛藤もあるに違いありません。
やせ我慢をして、大きな過ちを見逃し、損害賠償責任を負うより、その選択のほうが良いと判断されたのでしょう。
一人でやっていた事務所を法人と統合して、お客さんはどう思われるのでしょう。
高齢の先生の場合、ほとんどお客さんが「先生良かったですね!」と言われるそうです。
それは、お客さん自身が少々不安であった裏返しではないでしょうか。
昔、先生方は個人経営の顧問先を法人するように指導し、その際「法人になれば格が違います」
このように言ったかどうかは分かりませんが、とにかく”法人=善”として、法人なりを勧めたわけです。
もしも、自らの個人事務所を経営統合する時には、同じ論理で顧問先の説明すればいい。
社長さんたちも、個人事務所より、法人組織の方がいいと考えています。
どうか心配することなく、法人との経営統合を図るべき時に来ているのではないでしょうか。
事業承継支援室長
大滝二三男
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