先月26日に「アメリカからのエール」を書きましたが、デビット・ショウからはより具体的な構想が送られてきました。
ところで、米国の納税者と言えば、ほとんどが所得税の申告者です。法人の利益もなども最終的には株主を通して、所得税として申告されますから、納税は個人の重要な仕事です。
このことが分からないと、米国税理士がどのような仕事をし、日本の税理士との比較ができません。彼らは、個人の情報(家族、資産状況など)を把握し、その上で税務申告のみならず、資産運用などについてもコンサルすることにより、一家族の財務情報に精通しています。
そんな彼らが、東日本大災害を知り、自分たちにはどんなことができるのか、懸命に検討をしてくれています。ちなみに、所得税の申告期限は15日ですから、今が一番多忙な時期です。
カリフォルニア税理士協会の14年前に会長だったジム・サウスワード氏の娘さんが今、同協会の奨学金制度の担当として、今回の大災害の被害者に対して、奨学金制度を適応することができないかどうかを検討してくれています。
といいますのも、日本人で米国税理士の資格を保有している人で、弊社を通じてカリフォルニア協会の会員になっている方がいます。それらの方々に、この大災害で失った所得に関しても補助しようではないかというのが彼らの姿勢ですから、奨学金制度などはもっとも承認できる施策です。
しかし、我々協会の役員としても、米国の税法を勉強しているような人は大学院でも少ないでしょうし、所得税の申告者となれば、ほとんど把握の仕様もありませんし、高校生でアメリカに行ってわざわざ米国税法を理解しようと言ったフロンティア精神の旺盛な人は見つかりません。
でも、米国の確定申告が終われば、カリフォルニア協会の役員たちが日本の、そして東京の仲間たちはどうなっているのだと、騒ぎ出すに相違ありません。日本の協会としては、彼らのバックアップを必要としていますし、秋には継続研修をしますから、彼らの援助は期待すること大です。
彼らは本当に“トモダチ作戦”の一員でもあります。そんな彼らと我々は協力関係にあり続けます。日本とアメリカばかりでなく、中国の税務関係の方々からも連絡をいただいております。本当にありがたいことです。日本としては恩返しの時期を早く迎えたいところですね。
事業承継支援室長
大滝二三男