寅年、明けましておめでとうございます。この5年間、会計事務所の事業承継のお手伝いをしてきた事業承継支援室も本日(4日)からスタートです。新年にあたり少々辛口のブログからのスタートです。
室長の私も62歳となり、税理士先生方の平均年齢は63歳にあと1歳なりました。サラリーマン社会ではもうとっくに定年になっている年ですが、そうも言ってはいられません。(もちろん、税理士は国税OB税理士がいますので、試験を合格し、税理士事務所を経営する先生の平均年齢はかなり低くなります。)
このようにご相談をいただく税理士先生方が自らおっしゃられる引退年齢は、顧問先の中小零細企業経営者と同じように65~80歳というのが相場です。でも、ご本人が本当に引退されるのは果たして何歳でしょうか?
もちろん、80歳を超えた所長先生でも事務所経営を怠りなく、顧問先が満足できるように目を光らせていらっしょいます。さらに、後継者も指名し、従業員が安心して業務ができる体制を確立している方もすくなくありません。
ところが、年齢はそこまで行かなくても、会計事務所の経営にもうさじを投げている。いや、情熱をなくしている先生方も少なくありません。従業員の生活を中小企業の経営者と同じように考えているのならば問題はないのですが。
私どもが相談をお受けする先生方の多くが、「もう、そろそろいいだろう」とおっしゃいます。でも、従業員の行く末については、「引き継いでいただく先生にお任せしたい」という方がほとんどです。そうおっしゃる先生の事務所では仕事はできても、引き継ぐ先生の事務所では戦力にならない方も実に多いのです。
個人事務所の段階では十分仕事ができたと考えても、実はまったく戦力にならないことがはっきりしたとき、その従業員は他の職場を探さざるをえません。甘い職場環境を提供し続けた経営者の責任も大なるものがあります。でも、後継の先生に任せることでご本人は責任回避ができます。これはいかがなものでしょう。
従業員教育まで手が回らないと言うのが本当な話でしょう。従業員はお客様を持ってこない。経営者たる税理士さんが営業するしか、事務所収入をあげることができないと考えるのは普通です。でも、長い事務所経営を考えるとき、職員にも収入を上げさせ、将来に憂いがないようにするのが一番ではないでしょうか。
経営者が一人がんばる時代はもうとっくに過ぎています。組織として、資格があるなしに関係なく、十分な収益を確保し、経営者そして従業員がともに繁栄することを考えないと、「あなた一代で」事務所は終わってしまいます。”家業”であればそれでもいいのですが、いい人材は集まりませんよね。
今年も少し辛口、外部から見た会計事務所の経営に口を挟んでいきます。読者の方々には少しばかり気分を悪くするかもしれませんが、あえて書き続けます。よろしくお願い申し上げます。
事業承継支援室長
大滝ふみお
でした。