もちろん、所長の仕事であることは誰もが常識としているはず。
ただ、所長より、日頃の付き合いもある担当者の方が良い場合もある。
6年ほど前、地方の中規模事務所の事業承継の仲介を行った。
契約も終了し、挨拶回りの具体的な話では、所長は口を閉ざした。
直接伺って挨拶すべき顧問先の件数を訊ねると、担当者に訊くと言う。
先生が直接挨拶に行くのは、何件かと訊くと、行かないとの返事。
担当者に任せると言うのだが、引き継ぐ税理士も少し腰が引けた。
しかし、その地方ではそこそこの事務所だっただけに、引くに引けず。
所長が行かない理由を訊くと、長い間顔を出してないと言う。
だが、職員に事情を訊ねると、所長は業務に一切関与していなかった。
朝来て、集金された顧問料などを受け取り、後は職員任せ。
ここ10年以上、顧問先に行ったこともないし、相談も職員がこなした。
それでも職員が残れば、業務はできると、契約はそのまま継続された。
だが、承継後短期間で、ベテラン職員が退職、それも″持ち逃げ″。
引き受け手は踏んだり、けったりだが、仲介者には数ヶ月後に報告。
その報告を受け、契約内容を大幅に改定し、対価も半分に減額。
これで引き受け手は納得されたが、仲介者としては、大いに反省。
その後、このような事例がないよう事務所の業務内容をみっちり検証。
それにしても、この税理士は似せ税理士行為幇助でクビものですね。
事業承継・M&A支援室長大滝二三男
事業承継を顧問先に伝えるのは、誰の仕事?
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